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神道

神道(しんとう、かんながらのみち)とは日本の民俗的な信仰体系であり、日本固有の多神教宗教である。

政治共同体としての「日本」が意識される遥か以前(かかる意識が国民レベルで醸成されるのは遥か後年の明治維新以降である。また少なくとも北海道や東北地方は天皇を戴く大和政権とは別の政治共同体を形成『つまり別の国』との実態及び意識が遥か後年まで維持されることとなる。)から現在日本領とされる各地においてなされてきたシャーマニズム的呪術が明治維新前までは仏教によって民衆に仏法を分かりやすい形で伝える形式としてかろうじて残された習俗形式であり、明治維新後は国民統合のイデオロギーとして用いるために「宗教」としての外形等が整備されることによって近代化させられた、現在まで残存する宗教である。近代以前の神道は日本列島に住む民族の間の伝統的な民俗信仰自然信仰を基盤としたものであった。が豪族層による中央や地方の政治体制特に仏教と関連しながら徐々に変容を遂げることとなった。[1][2]

神道には明確な教義や教典がなく[3][4]、『古事記』、『日本書紀』、『古語拾遺』、『宣命』といった「神典」と称される古典を規範とする。森羅万象が宿ると考え、天津神・国津神祖霊をまつり、祭祀を重視する。浄明正直(浄く明るく正しく直く)を徳目とする[3]。他宗教と比べて現世主義的であり、まつられるもの(神)とまつるもの(信奉者)との間の連体意識が強い、などといった特徴がみられる。

一説には、神道とは惟神の道(かんながらのみち)であり、「ただあるがままを生きる。この世には人智を超えた神々の計らいがあり、その中をただ自然に生きることこそ大切」とも言われるが、その根幹にあるものは森羅万象や祖霊、死者への畏敬の念である。古来、日本人は「人道」に対する「神道」という、人道よりももっと高度な、善悪を超えた、宇宙や地球の法則のようなもの、人類も含めた「物・事の在り方」「道(みち)」をその精神の中心に置き、大事に伝承し、国民全体に普及させる努力を重ねて来ていた。それは、新嘗祭などの日本古来の伝統的な「祭事」にも表れている。

神道と仏教の違いについては、神道は神話に登場する神々のように、地縁血縁などで結ばれた共同体部族など)を守ることを目的に信仰されてきたのに対し、仏教はおもに個人の安心立命や救済、国家鎮護を求める目的で信仰されてきたという点で大きく相違する[1]

神道は日本国内で約1億600万人の支持者がいると『宗教年鑑』(文化庁)には記載があるが、これは神社側の自己申告に基づく数字である。約85000の神社が登録されている。





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